- TRIALRIDE
- #徳島県#香川県
四国4県を巡るトライアルライド[Day3]〜サイクリング環境拡充を目指して〜
2024.04.12
2024年4月10日(水)〜12日(金)の3日間、四国4県をめぐるトライアルライドが行われた。
このライドに参加したのは、Setouchi Vélo協議会とその加盟団体員。これまでに行われた総会や市町村ミーティングにおいて、世界や日本の各地の取り組みなどの“知識”を得てきたが、今回はライドを行うことで“体験”すること、またライド後にディスカッションすることが目的である。各エリアの可能性や課題を確認し、それぞれの今後の取り組みに活かしていこうという試みである。
今回はその3日目の様子をお送りする。
Day1
- Ride1|愛媛・松野町『道の駅虹の森公園まつの』〜高知・四万十町『道の駅四万十とおわ』(走行距離 24km)↗
- Ride2|高知・いの町『紙の博物館』〜高知・いの町『水辺の駅あいの里』(走行距離 14km)↗
Day2
- Ride1|高知・夜須町『道の駅やす』〜高知・安芸市『道の駅大山』(走行距離 21.5km)↗
- Ride2|高知・室戸市『道の駅キラメッセ室戸』〜徳島・海陽町『道の駅宍喰温泉』(走行距離 41km)↗
Day3
サイクルバスについてのディスカッション
四国4県トライアルライドの最終日の朝、トライアルライド前のバスの中では3日間の移動に使用されているサイクルバスについて全日参加している参加者たちによるディスカッションが行われた。今回使用されているサイクルバスは客室の前側の座席が取り外され、その座席部分に自転車を積載することができるラックが設置されているバスで、Eバイクを充電することができるコンセントも備わっている。
- 「トラックで運ぶのは少し不安があるが、このバスなら自転車が丁寧に扱われるので安心して載せることができる」
- 「サイクルバスを使えば、途中で走れなくなっても回収してもらえるので、初心者でも気軽にサイクリングが楽しめる」
- 「通常の輪行は前後輪を外す必要があるが、このバスならそのまま固定するだけで済むので手軽」
- 「宿泊を伴う自転車のツアーなどをした場合にネックになるのが自転車の保管場所。このバスの場合は、バスに積んでおけば後はバスの駐車場を確保できれば解決できるので使いやすいと思う」
- 「サイクルバスなら、電車よりも柔軟にさまざまなスポットにアクセスできる」
Day3 Ride1
歴史的な建築が建ち並ぶ徳島・美馬市『道の駅藍ランドうだつ』が最終日のスタート地点である。古くから藍の生産がさかんに行われてきた吉野川流域を離れ、フィニッシュ地点となる香川・さぬき市『道の駅ながお』へ向けての23.3km、山間部へ向けてペダルを踏んでゆく。この日の参加者は男女合わせて10名、ふたつのグループに分かれている。サイクリングの経験者は多くないが、上りでも安定したペースで進むことができるのはEバイクに寄るところが大きい。
夏子ダムまでやってくると新緑の木々の間に山桜がぽつぽつと咲き誇っている。3日間走り続けている参加者は「道や景色の変化があってこのコースが一番好きだ」と話す。観光地のようなスポットがない道であっても、自転車に乗るとまた違ったものが見えてくることもある。自転車に乗ること、感じることは重要なのだ。
香川県との県境は山間部ながら少しひらけた田園地帯だった。県を跨ぐからといって景色がそれまでとは大きく変わることはない。ところどころに現れる田園風景や見頃を迎えている桜が参加者たちを迎えては送り出してくれる。顔をなでる暖かい風を感じながら、時間はゆっくりと流れているようだった。少し汗ばんだ体に下り道の風は爽快であった。下り終わる頃、参加者たちはフィニッシュ地点に到着した。
オールディスカッション[Day3 Ride1]
走行したコースについて
- 「サイクリングは自動車よりも匂いや食べ物を感じやすい旅になる。徳島ならスダチやラーメンなど特産品を絡めたサイクリング環境を整えると良い」
- 「高低差があるがEバイクのおかげで楽に走れ、四国らしい風景が楽しめた」
- 「以前に比べ、うだつの町並みにカフェや宿泊施設などの楽しめるスポットが増えていたのでよかった」
- 「Eバイクは特に高齢者にも有効で、健康寿命を延ばしたり、孤独感を軽減したり、コミュニティ作りなどにも役立つ。Eバイクのアシスト機能により、グループでやりやすいのも利点」
3日目のライドを終えて
この日の朝集合場所にやってきたのは、徳島県の県や市町の職員のみなさん。Eバイクに乗るのは初めての人ばかりだった。20kmという距離を自転車で走ると聞いたとき、ほとんどの人が心配になったという。しかし、Eバイクの助けもあってかフィニッシュ地点では全員が笑顔であった。
自転車とはどういうものか?走る前と後では、その意識は大きく変わった。20kmの距離は自転車で楽しく走ることができるのだ。経験者にとっては当たり前のことであっても、それは一般的には常識ではない。スポーツ自転車、Eバイクを経験した新たな視点から今後徳島県の、Setouchi Véloの広域連携の自転車の取り組みを進めていって欲しいと思う。