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Setouchi Vélo協議会 福山ミーティング
2025.03.31

令和6年3月17日(月)、広島県では初となる市町村ミーティング、『Setouchi Vélo協議会 福山ミーティング』が福山市で行われた。晴天なれど強風となった当日は、広島県を中心に、兵庫県、香川県、愛媛県等の加盟団体から参加者が集まった。
初心者でも走りやすい河川敷のサイクリングロード
トライアルライドに参加したのは30人ほど。かわまち広場を出発して鞆の浦をフィニッシュとする全長12kmである。『開催地挨拶』を行なった福山市長・枝広 直幹氏は「しまなみ海道に接続するしおまち海道を、ナショナルサイクリングルートにすることを目指していきたい」と述べた。
その後、株式会社オージーケーカブト・柿山 昌範氏による『ヘルメットの正しい被り方』、株式会社コイデル・門田 基志氏による『E-BIKEの乗り方、ハンドサイン』と自転車に乗るための基礎講座が行われ、参加者たちは3つのグループに別れてペダルを漕ぎ出した。
しおまち海道とは、福山駅から尾道市境までを結ぶ全長26.9kmのサイクリングロードである。トライアルライドで走るコースはしおまち海道の一部(12km)で、芦田川の河川敷に整備されたサイクリングロードがメイン。きれいな舗装はとても走りやすく、起伏も少ないため、自転車の走行に不慣れな初心者でも楽しみながら走ることができるコースであった。








ミーティング

関係者あいさつ
トライアルライド後のミーティングではまず、福山市建設局長・市川 清登氏が、Setouchi Vélo福山ミーティングの開催に際し、挨拶を述べた。同市の自転車施策として、2015年に「福山市自転車利用促進プラン」を、さらに2018年度には「ふくやまサイクリングロード基本計画」が策定された。鞆の浦しおまち海道サイクリングロードの整備などを進めている。さらに、自転車関係団体や観光・交通事業者、行政機関との協議会を設置し、地域の観光振興を進めていく方針を示した。本ミーティングを通じて、参加者の意見を今後の施策に反映させることを期待していることを話した。
続いて事務局を代表して本四高速取締役常務執行役員・森田 真弘氏が挨拶を行った。Setouchi Vélo協議会は、環境に配慮した安全・快適なサイクリング地域を育成し、地域ブランドの向上と持続的な発展を目的として活動している。設立当初29団体だった協議会は現在82団体に拡大。また、サイクリスト向けの支援施設「Setouchi Véloスポット」の登録が順調に進み、昨年の約200カ所から現在約600カ所に増加していることが報告された。
最後に広島県知事・湯﨑 英彦氏がビデオメッセージで挨拶を行った。Setouchi Vélo協議会の目的として「瀬戸内地域を環境に配慮したサイクリング推進エリアとして発展させ、持続可能な地域振興につなげる」ことを強調した。また、福山市での市町村ミーティング開催を歓迎し、福山が自転車観光の拠点となる可能性に期待を寄せた。さらに、トライアルライドを通じて参加者が福山の魅力と電動アシスト自転車(Eバイク)の利便性を体感できたであろうことに言及し、広島県全体でサイクルツーリズムの推進を進める方針を示した。


記念講演「自転車を活用した地方創生」

次に記念講演として、愛媛県東京事務所所⻑・河上 芳一氏から『自転車を活用した地方創生』というテーマで愛媛県のこれまでの、そしてこれからの自転車推進の取り組みについて語られた。愛媛県は「自転車新文化推進課」を設立し、自転車を取り入れた豊かな暮らしの実現を目指しているという。施策は「自転車県」としてのブランド強化、おもてなし環境の整備、自転車利用の促進、安全対策の強化という4つの柱で進められている。
その成果の一つとして挙げられたのが、しまなみ海道がサイクリストの聖地として確立されたこと。国際的な注目度が高まっており、レンタサイクルの利用者数は開始時の約3倍に増え、外国人観光客の利用も年々増加している。これにより、観光業の活性化にも大きく寄与しているという。 河上氏は、自転車を活用した地方創生の取り組みが観光、健康、教育、環境など多岐にわたる効果をもたらすことを強調し、これまでの成果は、4つの主要施策を包括的に実施してきたことが重要であるとも語った。
2027年5月、アジアで台湾に次ぐ2番目の開催地として、愛媛県で国際会議「Velo-city」が実施されることが決定している。この会議では、自転車を活用した都市づくりの新たな方向性が提案されるとともに、愛媛県の取り組みがさらに注目を集めることが期待されている。

パネルディスカッション「しおまち海道のこれから」

ミーティングの最後に行われたパネルディスカッションでは『鞆の浦しおまち海道サイクリングロードの今後の振興策について』と題し話し合われた。参加したのは前出の市川氏、河上氏、門田氏に加え、福山市文化観光振興部長・岩本 信一郎氏、自転車の2専門誌、サイクルスポーツ統括編集長・迫田 賢一氏、バイシクルクラブ編集長・山口 博久氏が参加した。
しおまち海道は福山駅から尾道市境までの26.9kmのサイクリングロード。しまなみ海道への接続を検討していることやブルーラインの設置を含めた整備状況などについて市川氏より説明された。現状では問題もある。迫田氏はメディアの立場から、「全国の様々な河川敷のサイクリングロードを走っているがその中でも特に走りやすい」と話したうえで、コースの認知度の低さについて指摘した。
山口氏は「今回走ったしおまち海道の西側は文化を感じられる、走らなかった東側は自然が豊かなので、すべて走るととても素敵なコース」であると話し、サイクリングは地元の人が楽しむことが重要であることに触れた。
“地元”というキーワードから、自転車先進県と言われる愛媛県の河上氏は、自転車を理解してもらうには、地域を引っ張っていくリーダーたちに実際に自転車に乗ってもらうことが一つのポイントであるとアドバイスを行なった。加えて、地域住民の理解に話が及ぶと「自転車を理解をしてもらうため画期的な方法はない」としたうえで、自転車で訪れるサイクリストにマナーを守ることを呼びかけること、そのことを地元の人々に認知してもらうことが重要であると話した。
Eバイクの普及から約5年が経ち、これまで主流だったロードバイクによるスポーツ志向のサイクリングに加え、観光を目的としたサイクリングもますます広がっていくだろう。『記念講演』で河上氏が語った愛媛県が取り組んできた4つのテーマ、それが福山市をはじめとするSetouchi Vélo構成団体の各エリアで展開されることで、自転車の魅力がより広く発信され、その影響力も高まっていくはずだ。

